SSブログ

今日の本 「言語が違えば、世界も違って見えるわけ」 [本]

今日の本 「言語が違えば、世界も違って見えるわけ」(ガイ・ドイッチャー/ハヤカワ文庫:22年)

久しぶりに、ハヤカワ文庫のNFを手にしました。
オビには「コトバとココロをめぐる、言語学の冒険!」とあります。

著者はガイ・ドイッチャーさん。
イスラエル出身の言語学者で、現在は、ケンブリッジ大学
セント・ジョンズ・カレッジのリサーチフェローとのこと。
訳は椋田直子さん。

本書、2部、9章から構成。
様々な研究事例から、言語が認知に与える影響を
解き明かしていくという内容。
とても興味深い事例が数多くでてきますが、
私として、最も衝撃的だったのはグーグ・イミディル語話者の
「絶対方位感覚」です。
前後左右にあたる語を持たないため、位置関係は、
必ず東西南北で位置を伝えるというのです。
少し後ろに下がってほしいときは、後ろが西であれば
「少し西へ動いてくれ」という表現になるとのこと。
とても不思議な感じです。
終盤では、MRIを使った言語回路と視覚回路との間の
関係の研究も紹介されていて、
これまでほとんど意識しなかった言語と思考の関係が
垣間見れ、興味深かったです。
現時点では、曖昧な間接的推論ですが、
今後の研究の進展に期待しています。
220739.jpg
nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ: