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今日の本 「国家の品格」 [本]

今日の本 「国家の品格」(藤原正彦/新潮新書141:05年)

今なお売れ続けている一冊。
これも最近多い、タイトルの勝利か。
内容には共感する部分もあるものの、全体的にパワー不足。
なぜなら、冒頭に著者自身が述べているように「著者に品格がない」からだ。
強く読者を惹きつける魅力に欠け、この本自身の品格をも落としているように感じた。

具体的に言うと、著者は「情緒と形」を強く訴えているのだが、
著者は、それに通じる「謙虚さ」に欠け、かなり傲慢でもあるのだ。
結局のところ、著者は、
・俺には先見性がある
・俺は間違っていない
って言いたいの?
と思わせる文章構成が多すぎなのである。

できれば、そういう部分を削除し、
「品格ある国家への提言」という形ですっきりまとめれば、
より読者を惹きつけたのではなかろうか。

講演記録をもとに、まとめたところに問題があるのかもしれない。
あせって出版せずに、1から書けばいいのに と思ってしまう。
これで、「売れているからOK」としてしまっては、
著者の指摘は、すべて絵に描いた餅、「口だけ番長」発言となってしまう。

共感する部分も多いだけに、残念な1冊である。

最後に共感した部分を1つあげておこう。
「東大出身者は、「偏差値エリート」であって、必ずしも
 「真のエリート」ではない。」というところなど。
どこかの議員さんなんか、まさにそうでは?


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