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今日の本 「TOKYO 建築 50の謎」 [本]

今日の本 「TOKYO 建築 50の謎」(鈴木伸子/中公新書ラクレ285:08年)

「工場萌え」、「ダム萌え」、の次は「団地萌え」だという新聞記事が、
今年の半ばに載っていましたが、団地に限らず、歴史的な建造物もどんどん
消えていく今日この頃。東京の建築物に的を絞った著作を読みました。

著者は鈴木伸子さん。著作を読むのは初めて。
雑誌『東京人』編集室勤務。1997年より副編集長とのこと。

本書は、都市、建築、町歩きなどをテーマに執筆する著者が感じた
疑問に答える形で、9章から構成。
その疑問点が、トータル50となってます。

私としての興味は、最近の建築物より、消え行く建造物。
そのあたりは、「第6章 再生・循環に関する謎」、
そして「第8章 歴史に関する謎」あたりにまとめられています。
残念ながら、歴史的建築、保存運動は起きても、解体されることが多いようですね。
昭和初期のオフィス建築である、日比谷の三信ビル、丸の内の八重洲ビルなどが
最近解体されたとのこと。
著者は、
「時を超えて存在し続ける建築を、変化の激しい都市という環境において
 どう保存していくか。それは、その建物を引き継いでいく
 私たち自身が決めるしかないことなのだが。」
と締めている。

実際、その建物を維持していく立場となれば、それは大変なこと。
10数年毎に、大規模改修が必要だろうし、維持費は年々増加することだろう。
難しいこととは思いますが、何とかならないのか...

さて、わりと身近なところでは、大阪中央郵便局。
外壁を一部残して、高層建築となることが、今月発表されました。
これがギリギリの妥協点なのか?? 違和感あります(泣)。
http://www.japanpost.jp/pressrelease/detail.php?code=2008120502
http://www.asahi.com/business/update/1205/TKY200812050297.html
081226.jpg
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ルースターズ

妥協点なんか無いはずなんですよね。
耐震問題で、本当にいろんな素晴らしい建物が
カッ飛んでしまった。
たたずまいのいいアパートやマンションも。

ただの建物なんだけど。
例えば有名な建物じゃなくても、
昭和・大正の建物がどんどんカラになる。

大阪城のあの昔博物館で使ってたモダンな建物。
あんな素晴らしいものなのに、なぜ高層に移転するのか
わからない。

耐震を強くすると中は随分変わるけど。
変わらないものも残る。
潰すと全部なくなってしまう。

ハリボテと言われても残るのが重要。

0にしない重要。
免震・耐震。
日本の宿命ながら、古いものをぶっ壊すのは政治のこと
by ルースターズ (2009-01-04 13:16) 

TBM

>ルースターズ様 niceとコメントありがとうございます。
そう、有名建築だけでなく、残してほしい建物、
たくさんあります。
そして、今の大阪府知事。
建物ではないけれど、文化をも切り捨てようとしている。
財政赤字の立て直し、わからないではないけれど、
一度途絶えた文化は、復活しないのでは。
何とかならないものか...
by TBM (2009-01-06 00:20) 

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