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今日の本 「服従」 [本]

今日の本 「服従」(ミシェル・ウエルベック/河出書房新社:15年)

日頃、ほとんど手にしないタイプの小説ですが、
どこかの書評で気になり、手にしました。
解説が佐藤優氏でもありましたし。

著者は、ミシェル・ウエルベック。多くの著作が訳されていますが
私は初めて読みました。訳は、大塚桃。

本書、2022年仏大統領選にて、イスラーム政権が誕生するという
近未来を描いた小説。
主人公は、ユイスマンスを題材に博士論文をまとめた大学教師のフランソワ。
彼の目を通して、変わってゆくフランスを俯瞰。
物語は、イスラーム政権の誕生で解雇されたフランソワが、改宗し、
再び大学教授に復帰するところで終わります。
現実に起こりうることなのか?
巻末の解説では、現実には難しそうとのこと。
日本においては、実感できないことではあります。
佐藤氏による解説の締めは以下。
「『服従』を読むと、人間の自己同一性を保つにあたって、知識や教養が
 いかに脆いものであるかということがわかる。それに対して、
 イスラームが想定する超越神は強いのである。」
なるほど。
未読である、本書に登場するユイスマンスの著作も気になりますが、
日本においては、手に入らないものも多いようです。
こちらもぜひ読んでみたいところ。
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コメント 2

末尾ルコ(アルベール)

わたし、ウェルベックは現在最高の作家だと思います!ユイスマンスも昔から大ファンで、「彼方」と「さかしま」はぜひ!

                    RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2016-04-10 01:06) 

TBM

>RUKO さま、niceとコメントありがとうございます。
「彼方」と「さかしま」ですね。
読んでみたいと思います。
by TBM (2016-04-10 16:52) 

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