今日の本 「体験ルポアメリカ問題児再生教室」

今日の本　「体験ルポアメリカ問題児再生教室」（林壮一／光文社新書506:11年）

－殺人未遂、麻薬、性的虐待、崩壊家庭－とのサブタイトルがついた一冊。
この著者の作品は読んだことがないのですが、ふと本屋に立ち寄った際に手にしました。

著者は林壮一氏。怪我によりプロボクサーを断念した後、ノンフィクションライターに。
渡米後、スポーツ関連の著作や、米国の姿を描いた作品をリリース。

本書、著者が、問題児のための特別学級にて、実際に子どもらと過ごしたことを
綴った内容。
日本でも経済が悪化しており、格差、貧困といった問題が取り上げられることが
多くなってきています。格差を示すジニ係数が、日本よりも大きいアメリカ。
本書を読むと、深刻な問題を抱えている様子がひしひしと伝わってきました。
その歪をかぶってしまうのが、幼いこどもたち。
真摯に向き合う著者の思いが、心に響きます。

本書には、著者が取材したスポーツマンの言葉も出てきます。
そこから少しピックアップ。
NBAのアイバーソン、傷つく子どもらに向けて
「まずは自分の目標を作って走り抜け、と。
　自分はそれを成し遂げられる人間だといつも信じること。
　そして、夢を絶対に諦めないことが大事だね。」
元ヘビー級世界チャンピオン ジョージ･フォアマン
「人と人が絆を結ぶうえで鍵となるのは、相手を許す気持ちだね。
　大きな愛で、相手を許す寛容さ。それによって強い友情が芽生える。」

とてもとても強い言葉です。
我々大人にとっても、大切なこと。背筋がのびました。
明日からも、強く、がんばらねば。