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今日の本 「私小説のすすめ」 [本]

今日の本 「私小説のすすめ」(小谷野敦/平凡社新書473:09年)

つい先日、小谷野氏による「美人好きは罪悪か?」を消化不良ながら
読み終えましたが、引き続き、最新作を手にしました。
近年、著者自ら「私小説」も刊行。その著者が「私小説のすすめ」!
さて、その内容は??

著者の小谷野氏は、大阪大学言語文化部助教授、国際日本文化研究センター客員助教授
などを経て、文筆業とのこと。どうやら講師生活は止め、文筆業一本のようです。
最近は、小説が出版されたり、その他の著作がやたらリリースされる状況。
文筆業一本に絞ったためでしょうか?

本書、最初の2章では、主に日本における『私小説』の流れを解説。
そして、続く2章で、私小説批判について、ばっさりと切り捨て、
ラスト、第5章においては、私小説を書くポイントを概説。

先に読んだ「美人好きは罪悪か?」は、小谷野氏にしては、少々力なき
文章で残念に思ったのですが、本書は、著者のすさまじい記憶・知識と論理力に
基づいた『ばっさり感』が健在ゆえ、楽しく読み通せました。
これまで、あまり意識していなかった「私小説」の成り立ち、歴史が
概観でき、未読である多くの作品に興味が湧いてきましたね。
これは読んでみたい! と思ったのは、西村賢太氏。
(存じ上げなかったのですが、最近の作家です)
以前読んだ「のたれ死にでもよいではないか」に登場していた、藤澤清造に出会い、
小説を書くようになったということ。(→藤澤清造の没後弟子!)
タイトルもずばり「どうで死ぬ身の一踊り」!
これは、ぜひ読んでみたいです。

さて第2章末には、日本、および西洋における著者おすすめの私小説を
紹介(列挙)しています。すでに「品切れ」となっているものが多数あり。
図書館で探してみるか...
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FUCKINTOSH66

お先真っ暗な気分になったり、やらなきゃいけないことがあるのに好きなことばっかりやってしまってるときによく、>「のたれ死にでもよいではないか」と独り心でつぶやいてるときあります(笑) 私小説、TBMさん書かれてみてはっ!
by FUCKINTOSH66 (2009-09-13 08:54) 

TBM

>FUCKINTOSH66さま、niceとコメントありがとうございます。
「のたれ死にでもよいではないか」,「どうで死ぬ身の一踊り」
強烈であり、フッと心が軽くなったり...
藤澤清造氏、とっても興味深いのですが、その著作、
どこにもない状況(図書館にも...)。
西村賢太氏が藤澤清造氏の全集をいずれ出したい と
言っているそうなので、期待したいですね。

by TBM (2009-09-14 07:27) 

TBM

>FUCKINTOSH66さま、コメントもれてました。
いつになく、イレギュラーな時間にアクセスしたもんで
(苦笑:出張前泊してました)。
>私小説、TBMさん書かれてみてはっ!
私など、まだまだ経験浅く、とんでもございません(笑)。
Fさまこそ、いかがですか??
by TBM (2009-09-14 20:14) 

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