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今日の本 「棟梁」 [本]

今日の本 「棟梁」(小川三夫/文芸春秋:08年)

-技を伝え、人を育てる-とのサブタイトルのついた一冊。
先日、同著者の「木のいのち木のこころ 地」(93年)を読んだばかりなのですが、
今年新たにリリースされた本書を手にしました。

著者は、小川三夫氏。前書と同様に塩野米松さんの聞き書きとなっています。
1947年生まれ。宮大工。西岡常一棟梁の唯一の内弟子で鵤工舎を設立。
そして、鵤工舎設立30周年を機に棟梁を引退。
表紙裏には、
「組織は一度は栄える。しかし必ず腐り始める。いつまでも俺が棟梁ではあかん。
 一番腐るのは上に乗ってるリーダーからや。今度は俺が席を譲る番や。」
と。引退を機に語った言葉を収めたのが、本書となります。

前書から15年。多くの弟子が入り、学び、そして巣立っていっています。
前書に増して、さらに深い言葉の数々が収められていました。
そのいくつかをピックアップ。

「褒めて伸ばすと言うが、俺はそんな気はないな。
 褒められたいというんなら、そういうところへ行くんだな。
 いい気持ちになんかなってもらっても何にもいいことはないわ。
 失敗して、叱られて、修正して、磨いていくもんや」
「人に任せ、人に譲ることで、伝統の技を生きたものとして伝えていけ」
「単純は強いわ。
 俺は妙な飾りで競争しようという気はまったくないな。」
「狐にして群れず、我が道を行くや。そういう芯の通った存在であって欲しいな。」

深いです。実に深いです。
「褒めて伸ばす」、最近、特によく言われている言葉。
でも、本人の本気の姿勢があれば、そうそう褒める必要はないはず。
しかし、現実はなかなかそうはいかない(苦笑)。

これらの言葉の数々、しっかりと心に留めておきたいです。
そして、実践したいですね。
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FUCKINTOSH66

「褒めて伸ばす」、アメリカの家庭や学校ってコレが基本なんですよねぇ。こんなことまでイチイチ褒めるんかい?!ってゆーよーなことまで褒めちぎるんです。それも日本人の感覚ぢゃあり得ないっくらい大げさに... これぢゃ子どもが勘違いして、いつか本当の現実を知ったときにどーしたらいいのかわかんなくなるぢゃん!って思うんですけどね。って、話飛びましたけど、叱られてるうちが花とか、そーゆう感覚、なんだか懐かしいです(笑)
by FUCKINTOSH66 (2008-10-21 00:22) 

TBM

>FUCKINTOSH66さま、niceとコメントありがとうございます。
そうそう、少年野球なんか、アメリカでは、
三振しても、「ナイススイング!」って褒めるとか。
最近日本でも、若手の離職率が高いためか、「褒めて伸ばす」、
あちこちで聞きます。
人によると思いますが、あまり褒めるのもどうかと思いますがね。
>叱られてるうちが花
もう、だれも叱ってくれないかぁ、確かに(苦笑)。
by TBM (2008-10-22 00:16) 

TBM

>xml_xsl様 niceありがとうございます。
by TBM (2008-10-22 00:17) 

TBM

>takemovies 様 niceありがとうございます。
by TBM (2008-10-22 00:17) 

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