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今日の本 「カラヤンがクラシックを殺した」 [本]

今日の本 「カラヤンがクラシックを殺した」(宮下誠/光文社新書380:08年)

クラシック、興味はあるものの、購入するCDのほとんどはROCK~JAZZ。
年に1枚買うくらいでしょうか、クラシック。それも、指揮者で選んだことは皆無。
そんな私が本書を手にしたのは、著者が、昨年読んだ「ゲルニカ」と同じ
宮下誠氏だったからです。
http://tbm.blog.so-net.ne.jp/2008-03-18

著者の宮下氏は、國學院大学文学部教授。多数の著作があり、内容も
美術~クラシックと幅広いです。

で、本書、登場するのは、カラヤン、クレンペラー、そしてケーゲル。
第1章にて総論を述べ、続く3章にて各指揮者について言及。
とにかく、カラヤンをばっさりです。
まあ、そんなカラヤンはさておき、私が興味を強く抱いたのは『ヘルベルト・ケーゲル』。
著者は、「絶望の音楽」と評している。
彼は、社会に絶望し、政治に絶望し、家族に絶望し、自分自身にも絶望していたと。
(そして、ピストル自殺により、命を絶っている)
そんなケーゲルの作品、ぜひ聴かねば。

最後に、ラスト、ケーゲルの章の締めを引用。
「私たちは覚醒しなければならない。~象徴としてのカラヤンに代表される
非-文化的文化の巧妙な罠を注意深く避けながら、真正な芸術とは何か、
 真正な社会とは何か、人間の幸せとは何かを問い続けなければならない。
 クレンペラーやケーゲル音楽はそのように気づいた私たちを必ずや
 勇気づけてくれるに違いない。」

絵画、そしてクラシック、何れにおいても、真摯に作品と対峙する筆者の、
実に深い言葉。他の著作も読んでみたいです。
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