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今日の本 「中野さぼてん学生寮」 [本]

今日の本 「中野さぼてん学生寮」(北尾トロ/朝日新聞出版:12年)

北尾トロさんの作品、およそ1年ぶりに手にしました。
今回は、これまでとちょっと変わっていて小説。しかも『初の自伝的小説』。

著者は、北尾トロさん。裁判傍聴関連の著作が有名ですが、自らが
編集・発行人となるノンフィクション専門誌「季刊レポ」をリリース。

さて本書、1年半にわたり「一冊の本」に連載された「中野さぼてん学生寮」を
加筆・修正を加えたものとのこと。そして先に書いたように『初の自伝的小説』。
自伝的小説というだけに、まさに著者の大学時代に時代を設定。
客の少なかった頃のRCサクセション、学生運動家などが登場。
そんな中、ユニークな先輩のいる「中野さぼてん学生寮」にて、
特に目的もなく、戸惑い、迷う著者の姿が。

めちゃおもしろく、ほんと、全て実際にあったのでは? と思わせる展開。
とてもナイスでした。
ふと気になった主人公の言葉をピックアップ。
 友達より距離があり、知人より近しい
「俺たちはカフェ研の仲間じゃん。仲間ってさ、何とも言えず
 有り難い言葉だと思わんか?」

友達、そして仲間。
井上卓さんの「フリチンコウサテン」の一節にも登場します。
これまで深く意識したことなかったけど、妙にひっかかりましたね。

また、トロさんの新作が出たら、読んでみたいと思います。
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